ビブリア古書堂3(電撃文庫)三上延

 
目次

プロローグ『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社)・Ⅰ

第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)

第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなもの』

第三話 宮沢賢治『春と修羅』(関根書店)

エピローグ『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社)・Ⅱ 

今度はようやく栞子のお母さんーー知恵子の行方の手がかりが明らかされた。少しは予想できたが、三上延の構成がうまくて、思わず引き込まれるようなナレーションであった。栞子の妹ーー文香の視点で書かれたプロローグとエピローグは『王様のみみはロバのみみ』という誰でも知ってるお伽話にちなんで、秘密を明かすとは、キュートっていうか、子供っぽいっていうか、どこか文香らしい。

今回に扱われた本もとても面白いので、ファンのみんなさんと本好きたちも是非読んでください。

自分のお気に入りは、
第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなもの』
第三話 宮沢賢治『春と修羅』(関根書店)

ネタバレになる内容は書かないように心をかけていますんで、
興味のある方は是非自分で読んでください。

 

と言いつつ、ブログではネタバレします。
自分で読みたい方はクッリクしないでね。

 

 

プロローグ『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社)・Ⅰ

文香がこっそり日記を書いている。
彼女が曰く、『王様の耳はロバの耳』に登場した穴みたいなもんだ。
誰に宛てるではなく、発散するための行為だと。
しかし、誰かに見つかる、見られるかもしれないという不安を述べた以上、
「誰かが見ている」可能性が高いと思った。
さらに、その行為自体はどこか坂口安吾の妻の『クラクラ日記』に繋がっている気もした。

第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)

ストーリー自体はピックアップに値するところはあまりないが、
(一言で言うと、ぼのぼの切ない系…)
この回で、主人公(のはずの)大輔は「栞子の行方不明の母(知恵子)があの意地悪の店長と連絡をとっている」ことを知り、栞子にも打ち明けた。さらに、「栞の母(知恵子)は何らかの手段で、大輔の存在を知っている。」つまり、誰かがビブリア古書堂の近況を知恵子に知らせているとしか考えられない。

第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなもの』

非常に可愛い話だと思います。
その絵本の話自体が可愛いから、そう思うかもしれません。

前にも登場したしのぶさんが今回の依頼主。
小さい頃読んだ絵本を今になって(3、40歳)探したいと。
大輔がその気持が分かるように、私もその気持は大変分かります。
人間って、一定の年になると、無性に子供の頃の愛読書やおもちゃを再びコレクションしようとするね(捨てられた場合)。
しのぶの場合、その絵本は、仲の悪いギクシャクで家出したきりの家族との間の大切な(苦い)思い出である。
その本を探したいということも、しのぶにとっては実家に帰るための口実でもある。
だからこそ、なおさらその絵本に込めた気持ちが強かったでしょうね。

しのぶによると、
その絵本はヨーロッパみたいなところが舞台。
それなのに、タヌキが登場するなんておかしいと大輔が思った。
実際あれはロシアの絵本だったね。しかもタヌキではなく熊でした……

捨てられた犬とかの動物たちが仲間探して、一緒に「ともだちのいえ(しのぶはなかよしのいえと)」を建てようとした。
最後動物たちが家がなくても仲良く一緒に生活しているため、その家は要らなくなったというストーリー 。

なんだか少々虚しいエンディングですね(実際はそれが狙いだったはず)。
でもしのぶの場合、今回の事件を経て、もしかしたら、
家族とは一緒に仲良く生活できなくても、まだ帰られるがあるということになるかもしれない。

ちなみに、私が今コレクションしたい、子供の頃の愛読書は
『前後漢書』 『資治通鑑』
『長くつ下のピッピ』
『口袋文學--我不是吸血鬼』(布袋付き、今もその袋を残っています)

 

第三話 宮沢賢治『春と修羅』(関根書店)

宮沢賢治の作品はあまり好きではないが、
っていうか、「注文の多い料理店」しかちゃんと読んだことがないし。 
でも、大学時代に知り合った日本人の女性(当時は台湾の大学で修士をやっていた)が宮沢賢治研究をなさっていたから、少し気になっていた。
この前、友達と東村山まで『銀河鉄道物語』のプラネタリウムの映像を見に行きました。
なかんか綺麗な映像だったため、今度はちゃんと読もうかなと思っています。 

『春と修羅』の中の詩は少しだけ目に留まったことがある。
(確かに自分で買った日本の高校用参考書かな。あれは確かによかったけど、全部を読む気にはなれない。スタイルの問題だと思います。なにせよ、好きな日本近代文学家は谷崎潤一郎とかの耽美派だから。宮沢賢治の文字はどこかヘミングウェイみたいでどうしても好きにはなれない。)

しかし、『ビブリア古書堂3』のこの一章で描かれた
ビブロフィリアたちの貪欲さ、したたかさに惹かれました。
確かに高くて価値のある手入れ初版は手放さたくないわけだね。
ただし、貪欲だけではなく、ビブロフィリアの間の交流願望も面白かった。
本好きたちはいかに自分の好きな作品を他人(本の分かる人)にシェアしたいかの同時に、
独占欲も強く働いているという心理は、超分かります〜〜。

本の歴史を振り返ってみれば、こういう絡みになると、いつも修羅場になるね。
現代人からみれば「たかが本なのに」と思うかもしれないが、
昔の人にとっては高価で価値のすごくあるものだからな。

例えば、中世の図書館のある教会では、すべての本をチェーンで鍵を掛けて、棚の前に
「本を盗む人は世の中で一番許せぬ人種であり、必ず一番ひどい地獄に堕ちる」
という銘文を置いてたからね……
しかも、本を盗んだ人は……どんな本でも、両手を切られる刑罰を受けることになるからね……
本は、高尚なものでもなければ、教養のためのものでもない、神聖なる財産だった。 

ーー

この章の終わりに、依頼主(知恵子の同級生だった女性)から
「篠川さんから聞いた話みたいだけど、栞子が母の知恵子が家出して行方不明になったあとに、母が残した遺品みたいな本を売ろうとしたことに、私の父もすごく驚いたと私の父から聞いた」 と。

栞子は母が家出したことにむかついて、唯一の遺留品(『クラクラ日記』)を処分しようとした時に、その本がなくなっちゃった。
つまり、その本を売られないように、何者がその本を隠し、その本は今でもちゃんと家にあるという説明がつく。  

エピローグ『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社)・Ⅱ 

プロローグと結びついて、『クラクラ日記』の在り処と、知恵子はどうやってビブリア古書堂と自分の娘たちの近況を知られるかを種明かした。プロローグで、文香はパソコンで日記を書いているということは分かったが 、日記だからてっきりタイプライターソフトとかなにかと思い込んでた。まさかのEメールとは。しかも知恵子宛だなぁ……

 

次の作品(4)を超楽しみにしています!!

では終わり

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